炊飯器。

2021年06月14日

10年前ぐらいに一人暮らしを始めた時に買った一人用の炊飯器が、この頃まったくうまく炊けなくなってきた。スパゲティーにおいては、中心部にちょっとした芯が残っている”アルデンテ”の状態が良いと言われているが、

炊いた後のご飯が”アルデンテ”の状態では、あまりおいしくない。ご飯の炊き加減の好みにおいては個人差があるだろうが、俺のその炊飯器においては、もっとひどい。コメの芯をだいぶ残して炊きあがってくるからだ。噛めば「ボリっボリっ」とした食感だ。

もちろん食えたものじゃない。こないだもご飯を炊く前に丸美屋の釜めしの素を入れて炊いたら、やはりそうなった。

その時は「”釜めしの素”がもったいない」と思い、相当芯が残った炊き込みご飯を、今度は鍋に移し、そこに再び水を適度に入れてふたを閉め、また炊いてみた。

しかしこの二段仕込み製法が成功することはなく、蓋を取ってみれば、鍋の中の炊き込みご飯がいつも以上にふやけた状態になっていた。

あまり食えたものじゃなかったが、少し無理をしながらも、二日かけて時々「もう食いたくない・・・」と言って捨てながらも、頑張って食べた。

この時俺は、マズいご飯を食べることの不幸感を久しぶりに感じた気がする。

「もうここは思い切って、新しい炊飯器を買うしかない。」

俺にそんな強い決意をさせてくれた、実にマズい釜めしだったと思う。


そんな中ついに今日、頼んでいた新しい炊飯器、象印の”極め炊き”が届いた。

俺はこの新たな炊飯器の第一発目として、研いだコメの中に再び丸美屋の”釜めしの素”を入れて炊いてみることにした。

「これで失敗したらこの世も終わりだな」と思いながら、炊きあがるのを待った。

そしてしばらくして、炊きあがった釜めしを食べてみた。

「美味い・・・」

「炊飯器一つでこうもご飯のうま味が変わってくるんだな。さすが”極め炊き”と銘打っているだけはある。」と俺は思った。

これだけ美味いご飯を炊いてくれるなら、この新たな炊飯器も音楽パッケージソフトのKOMPLETE13と一緒に減価償却しながら、時間をかけてゆっくりとクレジットで引き落とされてもいってもいいだろう。



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