こっちに来な
「いつまでもそんなところで駄々をこねていないで、こっちに来な!」
遥か彼方の方で、ぐずっているような女の子たちを見て僕は言った。
時々こっちを見ながら近づきたそうな顔をしていたからだ。
「こっちに来てから考えればいいでしょ!!」
すると女の子たちは、それぞれに考え始めたようだった。
「そのうちいなくなっちゃうよ!!」
僕は大きな声で続けて言った。
その声が届いたのか?届いていないのか?は分からなかったが、
今度は女の子たちが、寄り集まってコソコソと話し始めているようだった。
「ぜんぜん怖くないよ~♪」
僕は女の子たちをあやすように優しく言ってみた。
そんな声が届いたのかは分からなかったが、
女の子たちは、再びそれぞれに考え込んでいるようだった。
いつか僕の気持ちが
遥か彼方にいるあの女の子たちに届けばいいなと思った。
~lovepoem~著/Kenji Aso